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国民年金保険料の後納ローンと生活保護受 (2013/5)               
1.年金確保支援法(昨年10月施行)に関係し、首都圏年金相談ネットワーク会議の熱い思いと粘り強い要請により実現した「中央労働金庫の後納ローン特例」が注目され、年金者組合中央本部や都県本部への相談・申込みが殺到し、担当部署はうれしい悲鳴状態にあります。
 一方、アベノミクスの浮かれ話とは裏腹に生活保護申請窓口へも、生活に困窮する多くの市民が生きるすべを求めて殺到しているのも現実です。


2.さて、この生活保護と後納ローン(年金受給権獲得)の関係が微妙です。千葉市では生活保護の担当部署が元社会保険庁職員など年金知識のある方8名(6特別区の全区に配置、中央区、若葉区は各2名)を採用し、生活保護受給者の年金受給権獲得に向け調査・確認作業を精力的に行っており“成果”も上がっているようです。 
 後納により年金受給権獲得が見込まれる生活保護受給者には社会保障協議会に支援を要請、場合により支援ローンにより後納を行うことも視野にありますが、千葉市の場合、社会福祉協議会のローン制度は融資限度が少額であり取扱い案件としては限定的とのことでした。
 この仕組みにより、次の効果が生じます。
 ①年金部分の生活保護費用の抑制効果(生活保護担当課)
 ②国民年金保険料の納付率向上効果(国民年金担当課)
 ③保険料掛け捨て防止と年金受給権の獲得(生活保護受給者)
 ④業務実績の積上げ(社会保障協議会)


3.四方一両得みたいな仕組みですが、事態は微妙です。生活保護受給者にとって、後納等により年金受給権を獲得し、過去の保険料掛け捨てが回避され、自己実現の意味からは大きな前進となりますが、経済的効果としては、年金受領額が収入認定され、生活保護受給額が同額削減されるため、面倒な年金手続に前向きになれず、まして「わざわざローン借入をして後納するより、今まで通りの生活保護受給でなんの問題もない」こんな声も聞こえてきます。


4.年金受給権の獲得という社会保障実現行為が、素直に喜べない理由は、年金受給権の水準(年金額)が「最低生活保障基準」である生活保護基準より低いからです。このモヤモヤを解決するには年金者組合が主張する「最低保障年金8万円」を早期に実現する以外にありません。最低保障年金は、10年の居住要件を満たす全ての住民が、無条件で受給するセイフティ―ネットであり、選択・競合の余地はありません。 
 現状では生活保護受給との関係は微妙ですが、今回の後納ローンによる受給権獲得運動は「無年金者を解消しよう!」という年金者組合の最重要課題に現実的に応えるものであり、「8万円最低保障年金制度創設」への一里塚として極めて重要な運動と考えます。                      

赤旗年金相談に「労金ローン特例」(2013/4)
◆4月10日、富田書記長より予定通り年金者しんぶん5月号に労金ローンの制度紹介記事掲載の通知と原稿依頼がありました。4月号は編集部・運動部の責任で掲載済。
◆社労士の長谷川さんより、赤旗年金相談に是非、労金ローン特例を掲載したい旨の電話。

国民年金保険料の後納制度に朗報(2013/3)
 首都圏年金相談ネットワーク会議は、昨年末より年金確保支援法を実りあるものにすべく後納支援ローン創設につき中央労働金庫本部と協議してきましたが、今般、同金庫より次の特例を行うとの報告をうけました。
<特例内容概要>
1.従来の「年金ローン」の借入は、年金受給権がある方のみが対象であったが、年金確保支援法の後納制度により受給権を得る方も対象とする。
2.年収条件150万円以上については、世帯合算を認め、後納制度による年金受給権の年間年金額も認める
3.特例期間は、2013年4月~12月の期間限定
 本件のローン利用で後納制度がより利用しやすく機能的になることが期待され、無年金者解消に向けた一里塚を年金者組合の対外折衝により獲得した成果として共に喜びたいと思います。
 同金庫各支店への問い合わせは4月以降にとのことです。なお、現在の借入金利は4.375%、保証料率は0.7%(非組合員1.2%)です。

<中央労金は1都6県と山梨をカバー>

国民年金保険料、後納制度の利用低調/PRに躍起(2013/1/8)
 報道によれば、国民年金の保険料の未納分を過去10年分まで遡って納めることができる「後納制度」の利用が低調だ。納付の申し込みは昨年11月までの2カ月間で、制度対象者の約2%弱の約33万件にとどまっている。制度自体や分割可能という仕組みの周知不足が主な要因とみられる。年金を受給できない「無年金」を防げ、年金の受給額が増加するだけに、日本年金機構は制度のPRに躍起だ。(中略)
 同機構によると、後納制度の対象者は約1700万人で、うち、約10%(約170万人)が申し込むと想定していた。だが、申し込みや相談件数はすぐに落ち込み、11月末時点の申し込み受け付けは約33万件。同機構の担当者は「想定を大きく下回っている」と肩を落とす。
 同機構は、消費増税に伴って成立した年金機能強化法の影響があるとみている。同法は年金受給に必要な納付期間を従来の25年から10年に短縮。消費税が10%になる2015年10月に施行される。同機構によると、10年以上、年金保険料を支払っている人の中には「法改正で受給資格を得られるなら、
後納はやめる」などと言い、申し込みを取り下げるケースが目立つという。
 「後納制度」への社会的な認知度の低さもある。10年分を一括して納付する場合は約180万円が必要となるが、分納も可能だ。「日々の暮らしがやっとでまとめて払えない」と分納の仕組みを知らない人も少なくないという。
郵便局や銀行などに足を運ばなければならないという煩雑さも一因とみられる。
 同機構はすでに、全国300カ所余りの年金事務所に専用窓口を設置。今年1月以降、PRポスターの対象を年金事務所から全国のハローワークや国立病院、金融機関にも広げる。対象者全員への案内文も13年7月までに送付を終える予定という。
 担当者は「後納制度のメリットを知ってもらう必要がある」と強調。「仮に受給資格期間を満たしていても、後納制度の利用で受給額を増やせる。まずは相談してほしい」と呼び掛けている。

 

12月までには、ローン導入などの金融機関はなかった

   複数の金融機関に、年金を担保にローン設定などを交渉を打診したが、既存のローン契約を見直す動きは見当たらなかった。年金担保は見当たらず、個人資産150万円などが示されていた(公的機関の千代田区議会を除いて)。

首都圏年金相談NW会議の夏野代表が朝日の「私の視点」に投稿
朝日(2012.11.1)「私の視点」欄の投書
 ローン導入で無年金者救えを趣旨とする、社会保険労務士夏野代表の投書が掲載された。生活保護費の引き下げや物価上昇のおりから、全国でこの運動が展開されることが望ましい。

千代田区議会は「国民年金保険料後納制度に係る貸付制度」を実施した
   9月に千代田区内で行われた年金学習会で、国民年金保険料の後納が可能となりましたが、後納したくてもまとまった資金手当てがつかない高齢者が多いことから、どうしても公的なローン制度が必要との話題となった。
    参加者のなかに千代田区議(共産)に情報を提供した人がいて、千代田区では、早速貸付限度額33万円までの無利子の「国民年金保険料後納制度の利用に係る応急資金の貸付制度」をつくり、年金事務所にも連絡し3月から相談・受付を開始している(9月の最終議会で議決され、実績もあるといわれている)。
 これは全国的に拡げたいものだ。

年金保険料追納にローン制度があればいい
朝日(2012.09.27)「声」欄の投書
 社会保険労務士のシマ(隯)が、10月1日より施行される「年金確保支援法」に関連して、後納したくても資金手当てが困難な高齢者に、ローン制度が必要なことを朝日新聞に投書したら、見事に採用された。事前に通知があって「だいぶ書き換えがあった」とのこと。タイムリー、グッドアイデアであることなどが成果を生んだ。
 政府にとっては、法の趣旨が生かされる。金融機関は口座が増える。高齢者は小さな負担で大きな成果となる。単にマッチングだけのことであるが、実生活に結び付けた点が秀逸。
 現実的には、相談窓口で個人的融資で事態解決を図っている事例もあるとか。ローンについては、具体的な金融機関名もあげられて進展している模様であるが、内容は目下のところ非公開。
 なお、シマ(隯)は、2010年5月以降、首都圏年金相談ネットワークに所属している。

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2012年5月下旬、懸案だった首都圏年金相談ネットワーク会議のサイトを立ち上げました。

 

 

   ■開設 2012.05.30

   ■更新 2013.10.23